国天然記念物の不断桜を供養 鈴鹿・子安観音寺の御霊木 三重

【不断桜について話す中村さん=鈴鹿市寺家3丁目の子安観音寺で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市寺家3丁目の子安観音寺で17日、境内にある御霊木で国天然記念物の不断桜を供養した。新型コロナウイルス感染症の影響で、供養会の開催は3年ぶり。

不断桜の前に祭壇を組み、後藤泰成住職(54)による読経法要のほか、地元の謡曲グループ「鼓謡会」が「謡曲 不断桜」を奉納した。

そのほか、ことし不断桜が国天然記念物の指定を受けて100周年を迎えることから、10年にわたって土壌改良や若い枝の育成などの管理を務める樹木医、中村昌幸さん(52)=同市十宮1丁目=が本殿で講演。

中村さんは長年の取り組みを振り返りながら「不断桜はヤマザクラとオオシマザクラの種間雑種。秋から春にかけて咲き続ける桜はほかになく、学術的にも価値が高い」と話した。

また「古い学術書から、100年ごとくらいに同じような手入れをしてきたことが分かった。人々の努力で約1200年の寿命が続いてきた」と述べ、「これからの100年を紡いでいくために(自分も)頑張る」と語った。

後藤住職は「不断桜は地元の宝の一つ。これからも地域とともにみんなで守っていく」と話した。