2023年3月11日(土)

▼「社会が変わってしまう」という首相発言と首相秘書官(更迭)の「見るのも嫌だ」発言が火をつけた「LGBT理解増進法」と同性婚の法制化。憲法改正も絡むので先行きが見えないが、論者たちが一言も触れないことがある

▼それは、日本は神代の昔から「LGBT大国」だったこと。同性愛は日常茶飯事。差別などなかった。井原西鶴は、男色は天照大神のときにさかのぼると書いている。『好色一代男』の世之介は生涯で女3742人、男725人と寝た。僧侶から武士、商人、農民にいたるまで、「男色」を楽しんできた。「女色」も盛んだった。「女知音」もあった

▼織田信長も徳川家康も小姓を愛でた。織田信長が森蘭丸を愛でたのは有名。ザビエルは、日本人が同性愛を楽しんでいるのに仰天し、一神教と一夫一妻制を教える難しさを嘆いた

▼同性婚反対なんて、差別以前に無知である。反対派は日本の伝統文化を知らないのか。日本社会がLGBTに不寛容になったのは明治以後。現代でも「BL」漫画はクールジャパンの一つの文化である。産経新聞とFNNの世論調査では、「LGBT理解増進法」に64・1%。同性婚に71・0%が賛成だ。