ダイマル、決勝大会で熱弁 桑名の住宅資材販売、アトツギ甲子園に出場 三重

【「アトツギ甲子園」に出場した西塚氏=東京都港区港南の品川グランドホールで】

中小企業庁はこのほど、東京都港区港南の品川グランドホールで、「第3回アトツギ甲子園」決勝大会を開催し、地方予選大会を勝ち抜いた15人のファイナリストが出場。三重県内からは桑名市参宮通の住宅資材販売・配達業「ダイマル」が唯一出場した。ダイマルは入賞を逃したものの、全国の後継者らに連携を熱く呼びかけた。

「アトツギ甲子園」は後継者が家業を生かした事業アイデアを競うイベント。出場者は先代経営者が培ってきた人材やノウハウなどの経営資源を生かしつつ、「新たに提供できる製品やサービスは何か」「今起こっている社会課題を解決するために貢献できることは何か」「自分自身が熱狂できるビジネスは何か」を自問自答した先にある新規事業のアイデアを発表した。

ダイマルは、中日本ブロック(東海・北陸・関西エリア)代表5社のうちの1社に選ばれて、決勝に進出。

同社の西塚卓郎氏(34)が「捨てられる木に新たな命 地域の大工へ『tsunagu』」と題し、4分間の持ち時間で発表。

西塚氏は、古材は価値があるから捨てずに再利用することや、なぜ地域の大工が必要かなどについて説明した上で、エンドユーザーと大工・工務店をつなぐ自らのビジネスモデルについて「特別な技術は不要。後継ぎとしての覚悟さえあれば誰でも活用できる」と強調した。

さらに、「皆さんの地域にも後継ぎにしかないつながりが必ずあるはず。地域経済の活性化から全国のアトツギに『tsunagu』ということで、中日本大会後にも早速仲間づくりを行った。皆で円陣を組み、一緒に熱狂しましょう」と連携を呼びかけた。

最優秀賞となる中小企業庁長官賞には大分県代表の林業「グリーンエルム」(発表者・西野文貴氏)が選ばれた。大会には全国で192社がエントリーし、2月に3ブロックに分かれて行われた地方予選大会では、45人が決勝大会目指して熱弁を振るっていた。