21日「明日のハナコ」上演 津、放映中止問題の高校演劇

【「明日のハナコ」の練習に励むメンバーら=鈴鹿市江島本町の白子コミュニティセンターで】

【津】鈴鹿市の劇団などは21日正午、津市大門の津センターパレス5階ホールで開く集会「さようなら原発三重パレード」のオープニングで、原発がテーマの高校演劇「明日のハナコ」を披露する。令和3年の福井県高校演劇祭で福井農林高校が上演したが、演劇祭の録画放送をする福井ケーブルテレビが同校分の放映を懸念し、主催者が映像公開の中止を決める事件が起きている。入場無料。

福井ケーブルテレビは原発の問題の扱い方や、せりふに引用した元敦賀市長の発言に身体障害者に対する差別発言がある点を指摘し、主催する同県高校文化連盟演劇部会が同校分の放映中止と脚本回収を決定した。脚本作者で同校演劇部の玉村徹元顧問が表現の自由を制約すると抗議し、上演実行委員会を結成。全国で公演が続き、予定を含め約30カ所に及ぶ。

三重県内の高校演劇部元顧問ら約10人が半年前に県内上演を目的に「演劇と表現の自由を考える会」を立ち上げた。朗読劇を続けている「鈴鹿麦わら帽子の会」に呼びかけ、両会の8人が舞台に立つ。同集会での上演を打診して受け入れられ、公演が実現した。

メンバらーは今月5日、鈴鹿市江島本町の白子コミュニティセンターで衣装合わせをして練習に励んだ。考える会の水野知行さん(68)は「若い人に見てほしい。原発の問題を考えるきっかけにしてもらいたい」と来場を呼びかけている。

上演後は午後1時から「原子力発電に反対する福井県民会議」共同代表委員の中嶌哲演明通寺住職をゲストスピーカーに招き集会を開き、午後3時からパレードに繰り出す。