亀山紅茶の歴史に触れる 茶園見学も、NPO法人が講座 三重

【亀山産和紅茶「べにほまれ」の茶畑を見学する参加者ら=亀山市安坂山町で】

【亀山】NPO法人「日本cha茶ちゃ」(松阪市飯南町、松本浩代表理事)は3日、三重県亀山市椿世町の県農業研究所茶業研究室で、亀山茶の歴史調査事業の一環として講座「栄光の亀山紅茶の歴史をたどる」を開き、同団体会員7人と市内外から23人が参加。亀山産和紅茶「べにほまれ」の歴史について学んだ。

また、同市太森町の県下最大の88・8ヘクタールの茶園「中の山パイロット」と、同市安坂山町の和紅茶「べにほまれ」の茶畑(約3アール)も見学した。

べにほまれは昭和26年、海外紅茶オークションで最高値を付け世界的にも注目を浴び、国産紅茶のトップブランドを築いたが、同46年の紅茶輸入の自由化により同市の茶生産農家が緑茶生産に転換した。その後、約50数年間奇跡的に残っていた紅茶古木を復活させようと平成24年度、茶生産農家らで「亀山kisekiの会」を結成。べにほまれを栽培し、亀山のブランドとして亀山産最高級紅茶「天使の雫」と「kiseki」を商品化し、販売している。

【亀山紅茶の歴史について講演する野村主幹研究員=亀山市椿世町の県農業研究所茶業研究室で】

県茶業・花植木研究室茶業研究課の野村茂広主幹研究員(60)が講師を務め、「かつては全国に名を馳せた『亀山紅茶』も衰退の道をたどっていたが、茶農家の皆さんが復活再興の取り組みにより、茶園が回復されて、いにしえの味を現代に伝えている」と話した。

一方、同市の茶業について同市産業振興課農業グループの川戸祐希主査は「亀山茶のほとんどは緑茶で、県内4位の生産量ではあるが、近年茶農家が減少する中、生産量全体の約75%が大手飲料メーカーに販売し、収入の安定化を図っている」と語った。

鈴鹿市三畑町の茶農家「村山農園」の村山和美さん(56)は「日本茶インストラクターの資格を取得して1年なので、きょう得た知識を今後に生かします」とメモしていた。