桑名の弁護士を業務停止1月 依頼者紹介に報酬、三重弁護士会が懲戒処分

【会見で懲戒処分を発表する長尾会長(中央)=津市の三重弁護士会館で】

三重弁護士会は21日、弁護士資格を持たない団体から依頼者を紹介された見返りに報酬を支払うなど弁護士法や職務基本規定に違反した行為があったとして、桑名市末広町で法律事務所を経営する嶋田幸司弁護士(48)を業務停止1月の懲戒処分としたと発表した。処分は14日付。

同会によると、嶋田弁護士は弁護士資格を持たない代表が運営する団体の協力弁護士として、同団体から紹介された八件の相続事件を受任。紹介の見返りとして、令和元年12月17日に25万6567円、同3年4月28日に86万9880円の合計112万6447円を支払ったという。

昨年6月に同会に対する懲戒請求があり、発覚した。弁護士法では、弁護士法人でない団体が報酬目的で法律に関する事案を紹介することを禁じており、弁護士にもそうした団体からあっせんを受けることを認めていない。また職務基本規定では、依頼紹介の見返りに対価を支払ってはならないとしており、今回の行為は弁護士として「品位を失うべき非行」としている。

同日、津市丸之内の三重弁護士会館で会見した長尾英介会長は「このように会員が処分を受けたことは誠に残念。引き続き倫理研修を通じて再発することがないよう周知していきたい」と話していた。