「布の彫刻」ブティ作品展示 桑名で稲垣さん 三重

【「ブティを知ってほしい」と話す稲垣さん=桑名市大仲新田の川スミメガネ本店で】

【桑名】南仏プロヴァンス地方に伝わる伝統手芸「ブティ」の作品展が17日、三重県桑名市大仲新田の川スミメガネ本店ギャラリーで始まった。市内のカルチャーセンターで指導する講師の稲垣有里さん(52)=同市西方=が初めて開いた。23日まで。

ブティはキルトの手法の一つ。2枚の布を模様に沿って縫い合わせ、布と布の間に糸を詰めて仕上げる。白が基本で、彫刻のように立体的に模様が浮き上がるのが特徴。「布の彫刻」とも呼ばれている。

稲垣さんは約10年前に友人が手がけた作品を見て、「自分も作ってみたい」と名古屋市にある教室に通い、3年前から講師を務めるようになった。フランス在住の制作の第一人者である中山久美子ジェラルツさんが監修するキットを使い、現在、桑名市と四日市市でも教えている。

会場には、稲垣さんと生徒の4人が制作した約30点を紹介している。180センチ四方のベッドカバーは、2年がかりで仕上げた。クッションカバーや巾着型のポーチ、メガネケースなどの小物も並ぶ。

稲垣さんは「ブティを教える教室はまだ少なく、あまり知られていない。作品展を通して、1人でも多くの人に知ってもらえたら」と話した。