津市、新年度一般会計当初予算案、2%増の1127億31千万円、市長選控え新規事業は抑制

【津市の新年度当初予算案を発表する前葉市長=市役所で】

【津】津市は15日、令和五年度当初予算案を発表した。一般会計当初予算案は前年度に比べ2%増(21億円)の総額1127億31千万円で四年連続増加した。4月に市長選を控える中、社会保障関係費、エネルギー価格高騰による光熱水費の増加などに対応するため通常予算編成とした。前葉泰幸市長は「市長選を控え、新規事業は抑制した」とした上で、「未来の市へつなぐ予算だ」と話した。22日開会の市議会3月定例会に上程する予定。

歳入は、市税は個人所得の増加や設備投資の減少などを見込み、前年度同額の413億41千万円を計上。地方交付税は普通交付税と特例交付税で190億円(同2%増)を計上した。市債は臨時財政対策債が9億円(同52・6%減)、合併特例事業債が12億21千万円(同8・4%増)の計43億81千万円(同20・3%減)を計上。

繰入金は収益増が見込まれるモーターボート競走事業から30億円(同皆増)繰り入れた。財政調整基金は同21・7%減の40億円。これにより、本年度末の同基金残高は49億6900万円(同58・3%増)となった。

歳出は合併特例事業債の償還に伴う公債費増などで義務的経費が同2・4%増の14億91千万円、電気料金の高騰により公共施設の光熱水費、燃料費が同40%増の6億61千万円増えた。

普通建設事業費は77億61千万円。大谷踏切拡幅事業に7億円、津興橋大規模更新事業に8億81千万円など市民生活に関わるインフラ整備を計上したほか、令和六年2月開署に向けた北消防署の整備に4億81千万円を盛り込んだ。一方、榊原温泉湯の瀬の整備完了などで前年度からは2億5600万円減額した。

主な新規事業は新生児聴覚スクリーニング検査費用助成事業として508万9千円計上。約6千円かかる新生児の聴覚検査で、市が二分の一の3千円を負担する。

保育体制の強化として、民間保育所12件、認定こども園14件に対し、一カ月10万円を補助する事業に3120万円計上。高茶屋地区の民間認定こども園の施設整備補助事業として、2736万6千円盛り込んだ。

前葉市長は「事業の継続性を重視し、都市、子どもたち、地域の未来へつなぐための予算編成にした」と強調。物価高など喫緊の課題に対応しつつ、子育て支援や都市インフラ、地域が求める課題などに注力し、「極めて実践的、実務的な予算として前へ進める」とした。

一方で、自身が出馬予定の4月の市長選を控え、例年100億円ほどの投資的経費を77億円に抑制していると指摘。「全くの新しい新規事業は新市長が判断すべき」と述べ、新市長により6月補正以降に肉付けされるとの見通しを示した。