桑名の佐藤製作所に12億円協調融資 商工中金四日市支店など

商工中金四日市支店(梶原隆徳支店長)は15日、精密金属部品加工業「佐藤製作所」(桑名市、佐藤敦社長)に対し、民間金融機関と協調し、運転資金計12億円を融資したと発表した。同融資には商工中金として県内では初めてポジティブ・インパクト・ファイナンスを適用。4行でシンジケートローンを組成した。

融資額の内訳は、商工中金が6億2500万円、三十三銀行が3億7500万円、桑名三重信金・みずほ銀行が各1億円。

ポジティブ・インパクト・ファイナンスは、企業活動が環境・社会・経済に与える良い影響・悪い影響を包括的に分析・評価し、持続可能性に関する目標設定とモニタリング、資金提供を通じ、企業の「社会的価値」「働き手の幸せ」「経済的価値」を総合的・持続的に高めていくことを狙いとする「伴走支援型融資」。

同社は昨年11月竣工(しゅんこう)の新工場が稼働開始して売上が増加し、資金需要が発生。女性採用・登用によるダイバーシティ推進、働きやすい職場環境整備や省エネルギー施策の推進などで一層成長するため、サステナビリティに関する目標を設定して経営の持続性を高め、経済的・社会的価値向上を実現するとしている。

商工中金は同社の事業性評価、影響評価をしたほか、日本格付研究所(JCR)から第三者意見書を取得し、同社の強み、課題、目標を共有。目標達成に向けた取り組みを伴走支援していく。

同支店の担当者は「金融機関だけでなく、第三者にも評価してもらったのは、新しい人材の獲得にもつなげていきたいという社長の思いもあるため。地域の金融機関でシェアしてお手伝いができたので、波及効果はあると思う」と話している。