【津】熱湯を振りかけ無病息災を祈願する三重県津市榊原町の湯立て神事「御湯(みゆ)」が11日、同町の射山神社であった。近郊の人や観光客ら約100人が訪れた。
湯の神を祭る同神社に江戸時代から伝わる神事で一度途絶えたが昭和30年代に復活。昨年はコロナ禍で約1カ月延期しており2月に開催するのは3年ぶりとなった。
拝殿で温泉の湯をはらう神事の後、神職が境内中央の鉄鍋で湧き水の長命水と合わせ、護摩木や絵馬をくべた炎で煮立てた。
その後宮口重明宮司が、笠取山で採取したクマザサを鉄鍋に浸して「無病息災、家内安全」と祈願。四方の参拝者に湯を振りかけると、皆こうべを垂れてしぶきを浴び、終了後は次々にクマザサを受け取った。
10年ほど前から同神事に参拝する白山町の小林和行さん(53)明美さん(51)夫妻は「家族全員の無病息災といいご縁のある一年になるよう願った。他にない行事なので続いていってほしい」と感想を話した。