空き屋解体促進、適正費用で 鈴鹿市とマッチング業者が協定

【協定書を手にする末松市長と川口最高経営責任者(右)=鈴鹿市役所で】

【鈴鹿】鈴鹿市と解体工事マッチング業のクラッソーネ(本社・愛知県名古屋市、川口哲平最高経営責任者)は10日、市内空き屋の解体促進と適正管理の啓発を目的とした連携協定を締結した。

これにより、空き屋所有者が同社から市の相場に合わせた解体費用の大まかな試算や、より具体的な見積もり提案を得て、解体に関するさまざまな不安を解消するのが狙い。

同様の協定締結は全国自治体で54番目、県内では多気町に次いで2番目。

現在、市が把握する空き屋件数は約1600件。市内では核家族化が進み、高齢者世帯が居住していた家屋の空屋率が増加傾向にあるという。

市専用の解体費用の試算は、インターネットの市ホームページからつながっており、建物の種類や構造などを入力するだけで、同社の持つ約15万件のデータを元にAI(人工知能)で算出するほか、施主と工事事業者とのマッチングサービスも提供する。いずれも無料。市の事業費負担もない。

試算の情報は市に提供し、市は活用実績の把握や今後の空き屋対策につなげる。

同日、鈴鹿市役所で協定締結式があり、末松則子市長は「腐朽した空き屋の解消が進む一助になれば」、川口最高経営責任者は「協定を通じて市の『住み続けたいまちづくり』の手伝いができれば」とそれぞれあいさつし、協定書に署名した。