小林研三さん洋画の世界 四日市の山画廊35周年記念展

【作品に見入る来場者=四日市市安島の山画廊で】

【四日市】三重県四日市市安島の山画廊で、開廊35周年を記念した洋画家の小林研三さん(1924―2001年)の作品展が開かれている。26日まで。月、火曜日は休み。

小林さんは四日市市生まれ。幼いころに父親を亡くして養子に出され、桑名市に移り住んだ。昭和28年に同市内に自宅を兼ねたアトリエを構え、動物と一緒に暮らしながら創作活動に励んだ。

小林さんの作品は、自然の風景などが淡く優しい色使いで描かれ、イヌやネコ、鳥、タヌキなど飼っていた動物が登場する。会場には、昭和42年から平成10年の間に制作された油彩画、水彩画、銅版画の135点が並び、作品は販売もしている。

山画廊で、昭和63年から亡くなる前の年まで毎年個展を開き、オーナーの山弘之さんとも親しくしていた。牧歌的な優しい雰囲気の絵で知られているが、幼いころに両親と別れた寂しさや、孤独な思いが表現されているという。

来年、生誕百年を迎える。山さんは「(小林さんの)作品を見たことがない人にもこの機会に、先生の絵の世界を楽しんでもらえたら」と話した。