お出かけ支援事業スタート 鈴鹿・一ノ宮地区で、外出困難な高齢者に 三重

【出発式でテープカットする渥美社長(左)と林会長=鈴鹿市高岡町のデイサービスセンター大家族で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市の一ノ宮地域で8日、外出が困難な高齢者を対象にしたお出かけ支援事業がスタートした。一ノ宮地域づくり協議会(林武繁会長)と、地元のデイサービスセンター「大家族」を運営する「テクトサービス」(渥美大輔社長)が連携。毎週水曜日午前10時から正午まで、施設車両の空き時間を活用して、利用会員の自宅から地区内の高木病院、オークワ鈴鹿高岡店の間を送迎する。利用者の自宅から自宅までの送迎支援は全国的にも珍しいという。

市と同協議会が令和3年1月から試験的に運行していた乗合ワゴン実証実験が1月25日に終了したことから、実証実験利用者に継続して外出支援をするのが狙い。

利用会員は同協議会に登録し、利用回数に応じた年会費(1200―4800円)を納めるほか、当日はガソリン代のみ支払う仕組み。現在の会員は7人。対象となるのは池田、高岡、一ノ宮の3地区で介護保険を使っていない人。

同市高岡町の「大家族」で同日、出発式があり、林会長は「地域全体で取り組んできた。意義がある期待の事業と考えている」、渥美社長は「デイサービス事業のノウハウを生かして地域の外出困難な人たちに喜んでもらえたら」とそれぞれあいさつ。2人はテープカットで事業のスタートを祝った。

1番目の乗客となった加藤等さん(74)=同市高岡台三丁目=はこの日、オークワへの買い物に利用し「自動車免許を返納し、移動手段がないのでありがたい」と話していた。