口蹄疫対策の裏側描く 森本元衆院議員「松阪牛を守った男」出版 三重

【冊子「松阪牛を守った男」を示す森本哲生氏=松阪市役所で】

【松阪】森本哲生元衆院議員(73)が衆院農林水産委員会筆頭理事として口蹄疫(こうていえき)対策特別措置法成立に向け奔走した姿を描いた冊子「松阪牛を守った男 森本哲生の知られざる舞台裏」がこのほど出版された。同委理事だった森本和義元衆院議員(56)=名古屋市=が執筆した。A5判、50ページ。税込み800円。

哲生氏が大台町副町長を退任する記念に刊行した。和義氏は桑名市生まれで、両親が旧美杉村(現津市)出身。平成21年に初当選し、立憲民主党愛知県第7区総支部長。

冊子は「政権交代」「宮崎県を襲った口蹄疫被害」など4章で構成。「補償の裏付けを持って、国の判断で殺処分を強制的に実行する」特措法の審議入り前、「『政府からGOは出たのですか?』私は訊(き)いた。『そんなん待っとったらいつになるかわからん。審議入りするんや。』」と2人のやりとりを振り返る。

「党の上層部の重鎮である政府高官の意向を無視して」「まだまだ期数の若い筆頭理事が勝手に審議入りを決めるのは」「かなり特異な、恐らくほとんどない事例だと思う」としつつ、「もう数日遅ければ、被害は隣県にも飛び火」「日本の畜産業に致命的なダメージを与えていたかもしれない」「森本哲生の迅速なる決断が大きく貢献したと確信している」と評価している。

哲生氏は「当時は無我夢中だったが、やりがいがあった」「引退して若い人を応援する」と語る。

表紙は総選挙ポスターの写真を使った。問い合わせは森本哲生さん=電話090(1626)5020=へ。