いなべで572戸断水、寒波影響で配管破損 三重

強い寒波の影響で、三重県いなべ市藤原町では27日朝から断水が相次いで発生した。最大で572戸が断水。市立丹生川小(同市大安町)では水が使えず、同日午後1時に全校児童を下校させた。断水は解消に向かっているが、県北部を中心に漏水も発生。県は「断水が拡大する可能性もある」とし、給水などの準備を進めている。

いなべ市藤原町内では正午時点で572戸が断水。同日午後6時現在でも篠立、古田、山口の各地区で計419戸が断水している。市の担当者は「28日には断水を全て解消したい」と話した。

市によると、家庭用給湯器などの配管が凍結によって破損し、各地で漏水が相次いだことが断水の原因。配管の破損が積み重なって大量の漏水が発生し、水道の供給が追いつかなくなったという。

市は3台の給水車を公民館などに配置。桑名市からも1台の派遣を受けた。市職員らは断水が発生した地域を巡回し、水道を使用していないのにメーターが回っている住宅などに元栓を閉めるよう呼びかけた。

このほか、北勢や伊賀地域の12市町では漏水が発生している。柴田孝之菰野町長はツイッターに「流出水量が多すぎ。供給が全く追いついていない」などと投稿し、町民に水道メーターの確認を呼びかけた。

県は27日午後3時半過ぎ、幹部らでつくる危機対策本部員会議を開き、被害状況を共有。市町への聞き取りを続け、応援要請があった場合には給水タンクを派遣することなどを確認した。

本部長の日沖正人危機管理統括監は「断水は今のところ1市だが、拡大の可能性もある」と指摘。「県民生活への影響を最小限に抑えるため、引き続き情報共有や応援の準備に当たってほしい」と指示した。