「心に残る万葉集」自費出版 鈴鹿の川北さん、百首選び解説 三重

【自費出版した「心に残る万葉集」を手にする川北さん=鈴鹿市庄野共進2丁目の自宅で】

【鈴鹿】三重県鈴鹿市庄野共進二丁目の川北富夫さん(86)はこのほど、冊子「心に残る万葉集」を自費出版で250部作製した。

B6判、163ページ。二部構成で、一部の「心に残る万葉集」は、歌の紹介とともに作者や歴史的な背景などを解説。二部の「私の好きな万葉歌」では、歌の意味や込められた思いなどについて考察する。4500首以上という総歌数のうち、計約百首を選んだ。

市内の短歌会が毎月発行していた歌誌に寄稿し、平成29年10月号―令和4年3月号まで連載した計62回分を手直しして一冊にまとめ、1月1日に発行した。

川北さんは元高校の国語教諭で、現在は佐佐木信綱顕彰会の顧問を務める。市の偉人で、歌人・国文学者の信綱へのあこがれが万葉集への思いにつながり、長年万葉集の研究を続けてきたという。「万葉集は文学の原点で、人間の原点。理屈では解釈できない人間の生き方を読み取ることができる」と魅力を語る。

冊子は関係者などに配布するほか、約20冊は希望者に無料で贈呈する考え。川北さんは「本当に万葉集に興味がある人に読んでもらいたい」と話した。

問い合わせは川北さん=電話059(378)0900=へ。