2023年1月23日(月)

▼稲垣清文前副知事が報道機関との懇談会で「セクハラは難しい。どう言っていいか分からない」と嘆いた。パワハラもアカハラ(アカデミックハラスメント=上級教職員などの教育・研究上の権力の濫用)もまたしかり。対象は広がり、互いに交差する

▼酒の上だからの言い訳、運動部内での暴力・暴言など、それまで容認されていた行為に厳しい視線が注がれる。優越、不利な立場の関係が見直されている

▼立憲民主党県連が立候補予定の女性から幹部や県議に暴言を受けたと党に調査などを求められた問題に、中川正春県連代表は「確固たるパワーハラスメント行為は確認されなかったと判断した」。「なかった」と言い切れないということであり「確固たる行為」がなかったということでもあろう

▼「それまでの基準からみれば」という前提があるのかもしれない。調査した県連ハラスメント対策委員会の委員長は元衆院議員の松田直久氏だった。第三者委員会、せめて女性の委員長にできなかったか。立候補を予定する本人からの公認申請は却下する。「現有二議席で三人推薦する中、四人目となると厳しい」と岡田克也党幹事長

▼一般的には周囲からのひどい嫌がらせなどが発生する状況だ。県議などの幹部から強い言葉を浴びせられることも、過去にはあった

▼「有権者の支持」を問題に、立民の若手有望株が自民に〝寝返った〟ことが話題となっている。政党なら離合集散は常。国民の支持を得ようとするためだが、「確固たるパワハラ」「確認できなかった」などの結論にも、その一端が垣間見える気がする。