上野高の明治校舎を耐震化 県教育長が改修完成発表

【耐震改修を終えた県立上野高の明治校舎(県教委提供)】

木平芳定三重県教育長は11日の定例記者会見で、県立上野高校(伊賀市上野丸之内)の明治校舎(旧県第三中校舎)で実施していた耐震改修が完成したと発表した。21日に一般公開する。

県教委によると、明治校舎は明治33年完成の木造平屋で延べ約969平方メートル。旧県庁舎を手がけた清水義八が設計した。和洋折衷の外観などが特徴。県の有形文化財に指定されている。

かつては教室として使用し、新校舎の完成後も文化部や生徒会の活動などに使われてきたが、平成25年度の診断で耐震強度不足が判明。瓦の割れによる雨漏りなど、老朽化も目立っていた。

耐震改修は令和3年11月に着工し、昨年12月下旬に完成。工事費は約4億2千万円で、全額を県債で賄った。文化財に詳しい専門家の指導を受けながら、外観などを損なわないよう施工した。

木平教育長は「明治校舎は上野高の歴史と伝統を象徴する建物。現存する明治時代の校舎は全国的にも珍しい」と説明。「今後もしっかりと活用し、多くの人に貴重な建物を知ってもらいたい」と述べた。

一般公開は21日午前10時から午後4時まで。申し込みは不要。県教委の担当者が現地で耐震改修や校舎の概要を説明する。問い合わせは県教委高校教育課=電話059(224)3002=へ。