2022年12月19日(月)

▼3千人を超え、七人が死亡。いわゆる第八波で最多の新規感染者を報告した14日の記者会見で、一見勝之知事の前置きは「急激な感染者の増加というのはないんですが」だった。ちなみに前日は800人弱。東海三県で初めて変異ウイルス「BF・7」が確認されている

▼知事は続けて、病床使用率50%超えの危機感を強調し、近鉄二駅に臨時検査拠点を設けると発表。県民へ対策の徹底を訴え、行動制限の可能性に触れながら「まだ念頭にはない」。「アナウンス効果」を本当に意識しているのかというより、同じ人が言っているのか首をかしげたくなる

▼「まだその段階にない」のかは分からぬが、まるで東海三県知事の共同宣言のようだ。鈴木県政から一見県政にかけて、コロナ対策で変わらないものの一つは、名古屋市をカヤの外に置いていることだろう。それで地域全体の安全が保てるのかが疑問なのはコロナだけのことではない

▼神奈川県庁の土木関係職員の友人が、横浜市に対し冷ややかに語っていたことがある。都道府県と政令都市の間に溝があること自体は珍しいことではない

▼県と津市の首長同士もかつて犬猿の仲と言われた。県事業の多くが津市に貢献しているのに、津市は当然と考えいるという理由だ。職員同士も浸透していたが、今も感じることは少なくない

▼県土整備部は津駅周辺を整備し「にぎわいの創出可能」。四選出馬表明した前葉泰幸市長が公約の柱に旧津市振興を掲げ、まずは津駅周辺の立体交差化と、駅から遠く離れた大門・丸之内地区の再開発に意欲を示す。平行線とも思わぬが。