2022年11月16日(水)

▼新型コロナ感染者が再びじわじわ拡大している。冬に向かって第八波も視野に入ってきた。北から感染が拡大し「換気がしずらくなってきた」からではないかというのは一見勝之知事の推定だが、県では野呂幸利雇用経済部長はじめ同部職員が感染したという。油断も禁物だ

▼前任の島上聖司部長が東京出張で感染したのに前後して感染が急増した悪夢がよみがえるが、野呂部長の場合は6―12日のスペイン、ドイツ視察旅行で感染したらしい。国がインバウンド(訪日客)期待で入国制限大幅緩和に踏み切ったのが10月1日。それから一カ月後の出国は先方との調整期間を考えると、ほとんど間髪入れずに進めたのだろう

▼姉妹提携はしているものの、鈴木県政ではほとんど接触のなかったスペイン・バレンシア州にも立ち寄ったというから不要不急の視察だったのではないか。ドイツのノルトライン・ヴェストファーレン州は忘れたころにその名を聞く。この時期に行かなければならない重要な課題があったのだろうか

▼コロナ禍で、海外との経済交流はインバウンドを含め沈滞している。まずは遠くの欧州から再開するというなら、多少の説明があってもよかったのではないか。コロナ禍の間を縫って予定行事に出席した観光局長が議会から疑問視された経緯もある。行きました、感染して帰国しました、では済むまい

▼観光振興とコロナ対策はアクセルとブレーキの関係に例えられる。今やほとんど気分はノンブレーキ状態だが、アクセルを踏むなら踏むで、県幹部が感染しました、という事態は避けてもらいたい。