2022年10月7日(金)

▼ツイッターで「国葬反対のSNS発信の8割が隣の大陸から」などと発信した小林貴虎・県議会戦略企画雇用経済常任委員会委員長が「議事を進行できない状況」になったとして委員長を辞任した。発信の根拠については答えていないようだが、前日の本紙は非公開の講演で高市早苗経済安全保障担当相の発言だと小林県議が明かしたと報じたが、食い違いもあるようだ

▼非公開会合の内容をすっぱ抜くことを仕事にしてきたが、自分が出席した会合になると迷うことは多い。新聞関係団体の論説会議はオフレコが慣例だが、一方でオフレコでも重要情報と判断すれば報道すべきという職業倫理がある

▼知事退任直後の北川正恭氏が同会議の講師に招かれ、北川改革を語る一環で県の補助金に触れ「三重県でも甘い蜜に群がってくる団体が300ほどありますから」と語った。県が〝別動隊〟として作った団体の補助金も一律カットしていたころで「永久に一心同体です、と言っていたのに」と消費者団体代表が唇をかんでいた

▼迷ったあげく、県最高首脳の発言として内容は書いたが、実名報道ほどの周知はなかった。非公開を承知で参加した会議の内容を直ちに発信した小林県議の理由は分からぬが、議会運営の重責を担う一人として影響に思いを致した上かどうか

▼ともあれ来年度補助金を「思い切った廃止や休止、統合、縮小」という財政課の意気込みを聞いたばかりで、北川氏の〝甘い汁発言〟を久々に思い出すきっかけになった。今度は「行政のスリム化」が大義名分らしい

▼天の下に新しきものなし(旧約聖書)。