2022年9月16日(金)

▼「何がセクハラ発言になるのかよく分からない。気になり出すと普通の話もしにくくなる」と、県内報道機関との懇談会で言ったのは稲垣清文前副知事だ。おしゃれも服装も体格も、聞き方によってはいまやセクハラだ

▼言った側にその意図がないことが免罪符にならない。文字面だけでは判断できないこともあるだろう。一見勝之知事が明和町長との「円卓会議」で「観光のポイントはいかに女性を引きつけるか。若い女性が来ると、それにつられて男の子が来る。おやじも来る」と言って、共産党県委員会から女性蔑視だと批判された

▼「場の雰囲気を気安くするためなら深層心理の反映。笑いを取るためなら、まさしく女性蔑視」という。就任1年の知事会見で、本人が「反省し、発言に気をつける」。何を批判し、何を認めたか

▼「人の注意を引きつける」広告業界の手法「アイキャッチ」でかつて商品に関係のない水着や裸の女性を使い、女性差別だとされた。知事も場を和ませ、受け狙いに女性を使ったということか

▼「不快に思われた方にはおわび申し上げる」。不用意な発言が人を傷つけていることに気がついてきたということでもあろうか。コロナの「全数把握」後退で自宅療養者数が公表できなくなることについて「必ずしも数を把握する必要はない。重症者や容体が急変した感染者の対応をしっかりすれば良い」

▼これまで把握に務めた人への配慮に欠けないか。自宅療養者の不安も考えたかどうか。いまや社会問題の女性蔑視には慎重な心理が見られるが、何気ない発言を深層から改めるのは難しい。