2022年9月6日(火)

▼日本フットボールリーグ(JFL)所属チーム「鈴鹿ポイントゲッターズ」の運営会社が進めるサッカースタジアム建設は2月に着工したものの、進行に進展がないままの異常な状態が続いている

▼完成は来年2月の予定だが、ほぼ絶望的。にもかかわらず鈴鹿市は2月計画を今も信じ、三浦泰年代表取締役ゼネラルマネージャー(GM)が8月25日の末松則子市長との会談後の取材に「来年11月完成を見込んでいたが、さらに遅れる」と語ったことに対し「11月にずれたことも初めて聞いた」(市スポーツ課田之上勉主幹)。驚いて見せたというから、驚く

▼プロ野球独立リーグのチームが県に誕生したことがある。リーグの基準を満たす施設整備に県の支援を求めたが門前払い。サッカースタジアムは「運営会社がしっかりとやっていただく」「県は設置管理の許可をする立場」(一見勝之知事)。チームに対しては「私もサッカーをやっていましたので思いますけれども公平公正、これは当然の話」

▼事実上、扱いに天地の差があったのは、施設を整備できる資力があるかどうかの違いの気がする。競技者とは別のところで八百長試合が進行し、恐喝事件も起きた

▼三浦代表取締役GMが「一クラブのために建設されるわけではない。スタジアムを通して地域が活性化し、それが社会貢献につながれば」。それをするのは県でも市でもないということだろう。多目的グランドも整備し、駐車場も増やし、一般へ開放。維持管理も運営会社がする

▼大風呂敷の前に、ひたすらひれ伏す県と市の構図が浮かんでくる。