2022年8月25日(木)

▼23日四人、22日三人、21日七人、20日七人…新型コロナウイルス感染関連死として県が発表する死者の数である。8月は一日も途切れることなく、死者の発表が続いた

▼このことと無関係ではないと思うのだが、松阪市の竹上真人市長が一人暮らし高齢者を対象にエンディングサポート相談窓口を開設すると発表した。死後の葬儀など手続きを業者に託す委任契約の手助けをし、費用を補助する。竹上市長は「一人暮らしの高齢者がすごく増え、民生委員が大変」。その支援策になるという

▼第一次コロナ禍で、NHKが多忙を極める遺品整理業者をリポートしていた。コロナによる孤独死が増え、遺品整理の注文が次々舞い込み、業者はライトバンなどで待機して、携帯の指示で生前暮らしていた現場へ駆けつける寸法だ

▼使命感にあふれて丁寧に故人の思いを受け止めて遺品を整理し、遺族への返品などを分類していく内容だった。遺品を注意深く観察する男が主人公のサスペンスドラマ『遺品の声を聴く男』が始まったのが平成21年。その前年には、『納棺夫日記』(平成五年、青木新門著)に触発された映画『おくりびと』がアカデミー賞外国語映画賞を受賞している

▼『納棺夫日記』には、夫の仕事に妻が「けがらわしい」と言い放った話が出てくる。日本人特有のけがれ思想から死者の尊厳へ、意識の変革がどれほど進んだかどうか。孤独死が社会問題になったのは平成七年の阪神淡路大震災以後である。県内にもその問題が押し寄せていることを、コロナが浮き彫りにしたと言えなくもない。