<まる見えリポート>井村屋新工場 米中への輸出拡大へ、生産ライン強化

【津市あのつ台に稼働予定の新工場の完成予想図】

井村屋(本社・三重県津市高茶屋)は津市あのつ台の中勢北部サイエンスシティ内に新工場「あのつFACTORY」を建設し、来年3月上旬の稼働を予定している。SOY(豆腐)事業や焼き菓子などの新たな供給基地を確立し、井村屋グループ全体で進めている成長戦略を加速させる。背景の一つには、米国や中国など海外需要の高まりがある。積極的な輸出拡大を押し進め、世界の「imuraya」を目指す。

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新工場は敷地面積2万1827平方メートル、建築面積7112平方メートル、従業員数は約80人(うち新規採用予定約40人)。成長カテゴリーの新供給基地の確立、コストダウンへの取り組み、物流機能の強化などをコンセプトに約12億円の投資を進める。

豆腐、焼き菓子(カステラなど)、スイーツの各製造・包装ライン、ギフト・ECの包装ラインなどを設置。いずれも成長が期待される分野の位置づけで、現在の高茶屋本社工場から機能を移転する。

特に海外市場の拡大に向け、豆腐やカステラなど輸出対応商品の生産ラインを強化するのが特徴だ。

米国向けでは、現地への輸出・販売が順調に進んでいることもあり、新工場ではカステラ輸出の専用ラインを新たに構築する。

もともと、カステラは中国で生産していたものを米国へ輸出していたが、米国の大型量販店などから「メードインジャパン」の日本製に対する需要が強いことを受け、対応することになった。将来的には、どら焼き輸出なども視野に入れ、菓子事業の展開を広げていく。

同じく新工場では豆腐の生産ラインを設け、輸出拡大を図る。それを可能にしたのが「ロングライフ豆腐」と呼ばれる賞味期間の長い豆腐の存在だ。同社はこれまで最長六カ月の商品を開発していたが昨年、180日間とする新商品が登場した。

豆腐輸出は香港向けに行ってきたが、賞味期間がさらに大幅に延びたことで、中国本土にも展開することになった。ヘルシーなイメージの強い豆腐は香港や中国でも人気が高いといい、商機につなげたい考えだ。

積極的な海外進出は浅田剛夫会長が進めてきた戦略の一つ。「あずきをAZUKIに」をかけ声に、同社の商品だけでなく、世界にあずきや和菓子文化を広める取り組みも行っている。マレーシアを中心に販売するあずきバーはハラル認証を取得するなど、現地の状況に応じた展開も行う。

同グループの尾崎弘二経営戦略室長は「シンプルな原材料をもとに、素材の良さと和の良さを前面に押し出した商品は海外でも好評」と述べ、海外展開に自信を強める。その上で、新工場稼働に向け「成長の大きな柱がグローバル化。三重、津から世界へと商品を届けていきたい」としている。