2022年7月28日(木)

▼新型コロナウイルスの新規感染者が1660人だったと発表した25日、県の患者情報プロジェクトチームは「月曜としては、かなり多い。感染が急激に拡大していると考えられる」。1611人だった翌26日の記者会見で、一見勝之知事は「まだ高い数字が続いている。今週や来週ぐらいまで、傾向は変わらない」

▼急拡大の途上か頭打ち傾向か。同じ数字を見ているのだろうが、この微妙な認識の差が、知事の見通しとその後の状況との間で大きな違いがあるかに見える要因なのだろう。もう少し慎重な見方はできないものか。第六波が190人前後で下げ止まり傾向だった6月28日、知事は先手先手で対応してきた成果だとして一日千人以上が「一日だけ」とともに胸を張った一方で、後手に回った反省点としてあげたのが「高齢者施設の対応」

▼集中訪問である程度感染防止できたが、チーム数不足で抑制「スピードが遅かった」とし「仮に第七波が来た場合にはしっかりと対応していきたい」。25日から高齢者施設を巡回することが「しっかり対応」に当たるかどうか。施設利用者の感染者は6月18日からの週で34人。7月16日からは176人。クラスター(感染者集団)も続く。第六波同様先手とは言えないのではないか

▼巡回では共有スペースでの入所者同士の距離や換気の徹底を求めるという。県医師会の機関誌で高齢者施設での感染拡大状況を医師が報告している。発生は外来、階をまたぐ拡大は職員の移動が原因の可能性を否定できないという。織り込み済みではあろうが。