2022年7月7日(木)

▼去る者は日々に疎し、という。死んだ人、あるいは遠く離れた人は月日とともに忘れられていく、縁が薄くなっていくの意味。知事だった鈴木英敬氏が、本紙参院選企画『攻防の裏側』でキーパーソンとして久々に1面に登場。迫力ある演説写真を見て、ずいぶん長い間忘れていた人を思い出す気がしたが、衆院4区選出議員。去る者ではない

▼翌日の紙面は立憲民主党の芝博一参院議員。こちらも、昨年11月の引退表明以降、選挙突入まで、ほとんど表立って選挙関連の舞台で見かけなかったので、先月12日の無所属新人、芳野正英候補の決起大会であいさつする写真に忘れていた人を思い出す気がした。参院現職。むろんまだ去る者ではない

▼6年前の前々回選は芝氏が民進党候補者で、鈴木氏は知事ながら、今回と同じ自民党山本佐知子候補者の応援者として相まみえた。安倍晋三首相が民進党代表の岡田克也氏のお膝元を切り崩すと意気込み、岡田氏は芝氏が敗れれば代表を辞任すると応じる。鈴木氏の山本候補応援も官邸の強い要請と言われ、選挙後の民進系県議らの追及に、リニア新幹線推進など、県政振興のためなどと答えていたことをおぼろげながら思い出す

▼リニアは今回もアメの役割を果たしているようだが、鈴木氏は山本候補の演説会に2千人以上を集め、感極まっていたという。対する芝氏は、キツネ憑きからキツネが落ちた風。後援会が「桜咲く」の思いを込めて「よしの千本桜の会」を結成しているという

▼選挙は支持者の精力的活動が勝敗を分ける。リーダーの言葉が共感を広げたりもする。