2022年5月24日(火)

▼サッカー女子の日本代表、なでしこジャパンの元選手で、米国女子プロリーグでプレーする横山久美選手が、自身を心と体の性が異なるトランスジェンダーであることを公表したことは、なでしこファンには驚くに当たるまい。昨年、やはり元日本代表で米国で活躍する永里優季選手のブログで、対談する形で公表している

▼日本では隠さなければならないことと思い込んでいた心と体の性の不一致を明らかにすることにしたのは、こだわることへの不思議さをチームの仲間から指摘されたことだとしていたが、具体的出来事を今回、共同通信の取材で語っている

▼乳房の切除手術を受けていたが、プールに行ってチームメイトから上半身裸の画像をSNSに載せられた。削除するよう頼むと、逆に不思議がられたという。話をするうちに「隠しているのは格好悪い」と思えるようになり、パートナーとの結婚証明書をインスタグラムにあげた

▼県は昨年、本人の許可なく性的少数者であることを他人に暴露する「アウティング」禁止などを盛り込んだ条例を都道府県で初めて制定した。同性カップルを婚姻相当と認める「パートナーシップ制度」は県議会の異論で、別に「パートナーシップ宣言制度」として条例から分離した

▼県内の人権団体も多くが評価。県立高校はアウティングにつながるとして男女別の制服を校則から削除。中学校にも浸透しつつある。校則が児童生徒を追い込んでいることにようやく気づいたということか。アウティング禁止が不思議がられる差別なき社会があることは、思いもしないに違いない。