2022年5月18日(水)

▼三重県競技力向上対策本部が県の強化チームから日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズを外したことについて、一見勝之知事は指定基準を見直す考えを示した

▼スタジアムを県営鈴鹿青少年の森で同チームの運営会社のスタジアム建築を「公益性を損なうほどのものではない」として是認していたことと、今回外した「遠因」にJFL処分があることで、ダブルスタンダード(二重基準)の疑いがあることは認めたということだろう。見直すのが〝処分されない〟県営施設の貸し出し基準ではなく、一応〝処分された〟強化チーム基準の方というのが一見流か

▼強化チームから外した主因は「競技団体(県サッカー協会)が国体に向けた強化の中心に位置付けなかったため」という。鈴鹿青少年の森の建設許可については「貸す相手は鈴鹿市」で、同市が公益性を考えていることをあげていた。県の判断はその考えを尊重した主体性のないものに過ぎないみたいな言い回しも、一見流と言えるのかも知れない

▼指定基準見直しは「処分の有無などに関する項目がない」のが理由という。「今後そういった団体が出てきた場合」に備えるためとも。道徳と法律の違いを持ち出す気はないが、サッカー協会が現行基準の中で判断したことに問題があるのならともかく、性悪説に基づいて悪く、悪く考えていくのは木を見て森を見ず、スポーツ精神とほど遠い

▼不都合が生じるとルールの方を変更し、旧ルールの障害をクリアする。そんな行政的考えが別ルールの間でも導入されようとしているのでなければ幸い。