大観小観 2022年5月2日(月)

▼コロナの新規感染者が4月30日は252人。前週の同じ曜日と比べて237人減り、前日比でも173人の減。五波を思えば容易ならざる数字だが、第六波の現状からは減ったと思えてしまう。コップ半分の水をどう見るかにも似るが、一方で新たに三件のクラスター(感染者集団)が発生

▼一日の発表として三件は初めてで、最多に違いない。コロナ禍状況は依然、予断を許してくれない。県の患者情報プロジェクトチームは「同じ時期に感染者の判明が相次ぎ、調査に一定のめどがついたタイミングが重なったため」。何だかピンがぼけていないか。大げさに考える必要はまったくない、とでも言いたいのか

▼三件は医療機関、介護老人保健施設、介護老人福祉施設。「入浴の介助やリハビリを通じて」感染したというという福祉施設での判で押したような見方が、果たして信用できるものか

▼所在地や名称は公表しないという措置もすっかり定着した。初期のころの「繰り返し、粘り強く公表を感染団体にお願いしている」という姿勢はないのだろう。県民もこだわらなくなり、うやむやにするには千載一遇の好機と県は捉えた気かもしれない。初期の医療機関などは正直者がバカを見るという思いをかみしめていよう

▼大型連休を前に国は驚くほど規制をとっぱらった。県の施策も相乗効果で、暗雲が晴れた気分ではあるが、高齢者を除く接種率の低いワクチンはますます伸び悩むことになろう。感染拡大への不安は消えない

▼県の方針はその時はどうなるか。ともあれ正直の頭に神宿る施策を願いたい。