「まる見えリポート」競技力向上と裾野拡大へ 三重のパラスポーツ振興

【パラ陸上女子T63クラス(=大腿切断など)の200メートル、走り幅跳び種目などで国内外の大会で活躍する亀山市出身の保田明日美選手。パリパラリンピックを目指す県ゆかりのパラアスリートの1人だ】

令和3年の東京パラリンピックを契機に全国の自治体が障害者スポーツの振興に向けた事業に取り組んでいる。三重県も競技力向上と裾野の拡大を目標とする2つの事業に令和四年度当初予算で約6千万円の経費を計上した。新型コロナウイルスの感染拡大の余波で中止となった第76回国民体育大会「三重とこわか国体」、第21回全国障害者スポーツ大会「三重とこわか大会」に向けて培ってきたノウハウも生かし県内のパラスポーツ振興につなげたい考えだ。


選手強化に向けてはパラリンピック等選手強化指定事業を実施する。スポーツ推進局管轄の総額6億円規模の競技力向上対策事業の目途の一つに国際・全国大会で活躍するパラアスリートの育成を新たに加えた。パラリンピックや聴覚障がい者の大会、デフリンピックなどの活躍を目指し強化活動に取り組む県出身、県在住、勤務地が県のいずれかの選手から選抜し、予算内で活動を補助する。

4月中に人選を済ませて指定証の交付は5月を予定している。候補には東京パラリンピックの代表選手のほか、2年後のパリパラリンピック、4年後に名古屋市で開催のアジアパラ競技大会も見据えて、これからパラリンピック、デフリンピック出場を目指す選手も上がり、最終的に十数名になる見込みだ。

裾野の拡大に向けては「三重県障がい者スポーツ支援センター(仮)」を新設し、これからパラスポーツに取り組みたい人の相談を受け付ける。担当部局の子ども・福祉部ではパラスポーツのサポートを希望する人の窓口も兼務し両者をつなぐ役割も担うとしている。


3月発表の共同通信の調査によると令和四年度の都道府県のパラスポーツ関連予算はここ5年間で最高の総額約60億円となることが分かっている。近隣県で先進的な取り組みを行うのは静岡県。令和2年から競技力向上対策課で県内における健常者と障害者のスポーツ振興を一括して担当。トップ選手の強化支援に加えて昨年は幅広い年齢層の県民約200人がパラスポーツ4種目を体験するパラリンピック運動会などの普及イベントも行った。

これからパラスポーツの強化普及に本腰を入れる三重県が目指すのは利用者目線に立ったきめ細かなサービスだ。子ども・福祉部が管轄する「三重県障がい者スポーツ支援センター(仮)」には専属の「コンシェルジュ」を置き、さまざまな相談事にワンストップで対応できるよう心がけるという。

三重とこわか国体・三重とこわか大会両大会に向けて培った知識と経験も生かす。三重国体に向けた強化活動を関わってきたスポーツ推進局ではパラアスリートともトレーナーの紹介やトレーニング方法などの情報を共有。三重とこわか大会に向けて理学療法士、作業療法士などが作った組織も活用し「三重から障害者スポーツのロールモデルをつくりたい」としている。