2022年3月18日(金)

▼県立看護大学の学費を、法が定める県議会の議決を経ずに引き上げていた問題で、一見勝之知事は「県議会にも迷惑をかけている」などと陳謝したが、後始末については「検定を受けた人に対応することが第一」。為政者変われど、言葉変わらずか。違法行為を差額約140万円の返金問題を対比する。返せばいいじゃないかということか

▼原因について、医療保健部の加太竜一部長が県議会常任委で「引き上げ後の学費が適用されるのは来年度以降と誤解して議案を提出した」。正直な人柄を知るだけに笑った。場合によっては「議会軽視」、すなわち県民への裏切り行為とされる問題を「看護大と医療保健部の連携不足」。ケアレスミスにしてしまった

▼「引き上げは来年度以降のこと」だから、迷惑をかけられた議会、すなわち違法を見破れずに可決した常任委が再び全会一致で可決するメンツもかろうじて保たれる。本会議の議決がまだだったことにホッとしているかもしれない。カラ出張を含む予算案を可決して、決算案の認定が数年先延ばしになった悪夢は繰り返さずに済んだ

▼「再発防止策を検討しなければならない」とも一見知事。やはり為政者変われど―ということだろう。郷に入れば郷に従うということかもしれない。過去の不祥事に対するけじめを、将来のルールづくりで免罪符にしてしまう常とう手段は県政不信を拡大するだけだ

▼担当職員の処分については「まずは原因を究明しなければ」。おや、連携ミスではないのか。「必要であれば、そういったことも考えたい」。これも、行政用語である。