2021年11月6日(土)

▼衆院選の三重県内投票率が過去最低だったことに一見勝之知事が「政治に対する国民の声が正確に反映されなくなる」。当然の感想だが各党への得票分析も含め、知事が国政選挙について、当たり障りない内容ではなく、問題点まで語るのは珍しい。新任の初々しさかね

▼歴代知事が思い通りに語りたがらないのは、結果の正当性に疑問を投げかけているかに受け取られることを避ける意味もあろうが、知事の責任論にもなりかねないからだ。県内の選挙啓発は、県選挙管理委員会の職務である

▼「若い人が選挙に行こうという自発的な行動をしている」の方はそれを踏まえたか。テレビCMでの呼びかけが「大きな動き」になったとするのは低投票率と矛盾するし「これからは上がっていくことを期待」と続けてもいる

▼戦後女性参政権が実現して、最初の選挙で「女が」と心配されたが、高投票率だった。自分が初めて選挙権を得た時の世界が広がった感覚を思いだし、当時の女性の心情を思う。翻って選挙権年齢の引き下げは、思ったほどの効果を上げていない

▼特に、県は新選挙人の投票率算出に熱心でなく、主権者教育に際立つ実績は見当たらない。副読本を配るだけという実態もある。県議会の出前講座先の高校で「少し偏った発言」(当時の議長)をした議員が謝罪、役職辞任に追い込まれた。学校図書館蔵書の性教育読本が「過激」という議会指摘で撤去されたことも。触らぬ神にたたりなしが、小中学校も巻き込む必要があるとされる積極的主権者教育を遠ざけている可能性もある

▼フレッ、フレッ、一見知事!