2021年10月12日(火)

▼三重とこわか国体・大会の中止で、県議会超党派が複数の都道府県による「ブロック開催」の意見書を政府などに提出する調整に入り、一部の県議から「十分に内容を議論すべき」などの異論が出ているという

▼ブロック開催は一見勝之知事も先月の議会全員協議会で示唆している。両大会中止の幕引きを執行部、議会が呼吸を合わせて進め、手順のよさに一部の反発を招いているということだろう。意見書案には国体と全国障害者スポーツ大会について「戦後復興期の役割を終えた」などの文言があるという

▼国体の一巡時に継続するかどうかの有力な論点であり、知事も全協で触れていた。障害者スポーツ大会にも当てはまるか。雑な論理の気がするが、兵は拙速を尊ぶべしではある

▼断念の理由について、県は「費用の追加負担や会場の確保が困難」としているが、負担の詳細や6年先の会場の状況など、詳細不明のまま、実行委ではひたすら「知事一任」を取り付けた。議会としては、十年来の県の最重点事業が、多くの県民に「中止ありき」の印象で終わったことへの真偽を、まずただすべきではないか

▼RDF(ごみ固形燃料)爆発事故で議会は前知事を参考人招致した。説明なく去った前知事に釈明の機会を与えるのも一策。知事交代のどさくさに紛れたとする疑惑の闇に光が当たる。財政事情は、唯一説得力ある説明だろう。俗に、無い袖は振れぬである

▼英米にも同義のことわざがある(成語大辞苑)。ユー・キャンノット・ゲット・ブラッド・アウト・オブ・ストーン=冷酷な人に同情を求めても無駄だ。