2021年7月6日(火)

▼コロナ一色だった県内の課題ににわかに政治色が加わり、慌ただしくなってきた―などと言っては仕事柄、認識不足を問われるか。秋には総選挙という日程の中で起こるべくして起きた鈴木英敬知事の国政転出問題で、一気に風雲急を告げてきた

▼いまさら振り返るのも間が抜けた話だが、自民党の三ツ矢憲生衆院議員の5月の引退報道が起点だった。6月の県議会で新生みえの三谷哲央議員が状況の変化と捕らえて昨年10月に続き知事に政界進出を問い、前回とほぼ同じ否定答弁ながら再質問で食い下がった

▼「あそこまで否定しては転出しにくい」という見方もあったが、自民関係者の心理にはどう影響したか。県議定数問題で分裂していた自民党県議団と自民党が7月1日付で合流。一枚岩の態勢を整え、知事の背中を激しく押す展開。が、別会派に属する自民系議員らは合流に反発。国勢調査で波乱含みの定数問題を控え、どうなるか

▼一枚岩への前途というなら旧民主党系の方がより深刻。連合三重の新会長に、初めて電力総連出身者が就任した。立憲民主党県連との合流を拒絶した国民民主党県連の実質的支柱の産別労組の一つ。対立の原点である原発の方針については、連合内でも調整が進まない

▼任期途中で東海労働金庫副理事長に転じた吉川秀治前会長は昨年の大会で「立民、国民を問わず、連合が推薦する候補の当選が大上段」と語った。番条喜芳新会長も連合候補の全員当選を踏襲したが、党については触れなかった

▼連合の宿命とも見られた「股裂き」は、より複雑に固定されていくのかもしれない。