2021年7月7日(水)

▼このところ「伊賀に県政なし」を伊賀地域選出県議が党派を超えて地域への施策を求める議会壇上での合い言葉は聞かれなくなったが、岡本栄伊賀市長の相次ぐ県政への要請にその面影を見る

▼指摘はなかなか手厳しい。国勢調査の速報値を待たずに5月に県議定数改定の条例を採択したことや、11月の確定値まで、定数の議論を見送るとしていることに「少し変」と批判。「しっかりと対応すべき」で、それが「県民の信頼を担保する県議会の役目ではないか」と語る

▼青木謙順県議会議長は同日の定例記者会見で「確定値をもって議論したい」と、改めて速報値での検討を否定。採択した5月の時点では、速報値で人口比が逆転することなど「想像していなかった」ともいうから過ちては改むるにはばかることなかれ。こちらはなかなかに苦しい

▼確定値発表後の再検討は「当然にしてある」とするが、議長就任後初の一日の会見では再検討に否定的理由として「時間的に厳しい」。確定値後ではますます厳しいことになるのだから、論旨に一貫性があるとは言いがたい

▼同30日の代表者会議は、しかしながら確定値までの先送りに大方が同意した。伊賀市選出の稲森稔尚県議が「伊賀市民に不誠実」と主張したのに対し、青木議長は「気持ちは理解する」「その意見を参考にしながら」。とにかく議論は避けたい格好

▼李下に冠を正さずという。青木議長が所属する自民党県議団が、定数問題で分裂していた自民党と合流したばかり。秋を過ぎるまで現状に波風を立てたくないという党利党略を疑われてはなるまい。