2021年6月20(日)

▼県立大学新設についての三重県議会常任委員会審議で、三谷哲央県議が「財政負担の議論がない」と異議を唱えたのに対し、安井晃戦略企画部長は「仮に(設置が)是となれば来年度から検討する」。役者やのうなどのギャグを言っては、年が分かりますよと言われるか

▼鈴木英敬知事との対談で竹上真人松阪市長が要望し、知事が「しっかり検討」と応じた。「魅力ある大学ができることは進学の選択肢が増え、地元就職に効果」と大いに持ち上げたが議会で慎重を求められ「設置ありきだと誤解されているのでは。あくまで検討」と水をぶっかけてもいる

▼昭和47年の県立大の国立移管は財政負担に耐えられなくなったことも大きな理由。せっせと松阪肉の〝お土産〟を要路に配り、決定した時は、文教族の藤波孝生衆院議員とバンザイして喜んだというのは当時の担当者の話

▼津市が三重短大の県立移管を要望したときはそっけなかった。問題は先刻承知ということだろう。県立大新設が是になるとしたら、来年度から財政負担の検討を始めますなどと軽く受け流すような答弁はしておれまい

▼定時制などの定員割れ対策でもあった県立高改革では、不登校や中途退学者などに的を絞った単位制の導入や国際学科など時代を取り入れた学科創設で応募者が殺到した。「魅力ある大学」像を提示せずに需要調査しても意味があるのかどうか

▼三重とこわか国体の中止か延期を提唱した岡本栄伊賀市長に対して、県は何の反応もしていない。市長の人となりや知事との距離によって、県の態度も異なってくるものに違いない。