2021年4月26日(月)

▼左の大阪府はもちろん、右の愛知県もリバウンドの兆しで、念のために歩調を合わせたつもりの県独自の緊急警戒宣言が、左右以上の厳しさで新型コロナウイルスの攻撃にさらされている―そんな感じを最近の感染状況は受ける

▼三度目の緊急警戒宣言に初めて触れた15日、鈴木英敬知事は「まん延防止等重点措置」は言下に否定した上で、愛知県が要請することについては「大変ありがたい」と語った。県外流入説を踏まえた発言だったろうが、その後過去最多を連日塗り替えて、週の始まりに、まったく新しい景色を見せられた思いがする

▼まず「まん延重点措置」を要請する方向で根拠づけの有識者会議を招集した。また「感染の主な原因ではない」として、第四波に警鐘を鳴らした4日の「県指針」の知事あいさつでは触れもしなかった飲食店対策について、前回宣言より拡大して全域対象に時短要請し、1400店舗を抜き打ち調査する、という

▼わずか数日間での手のひらを返したような方針変更は「安心につなげたい」ためと知事は言うが、空振りの恐れはないのか不安になる。先の指針で、知事は1年余のウイルスとの戦いによるデータの蓄積で、より的確な対応が可能になっていることを強調しているが、変異株の出現で、過去の知識が通用しなくなっているとの見方もある。変異株が、さらに変異を続けているとも

▼3密回避やソーシャルディスタンス、マスク着用や手洗い、不要不急の移動自粛など、従来の対策の徹底をと県は言うが、それで変異株は本当に防げるのか、県民の不安の大半はそこにある。