2021年4月27日(火)

▼女性の育児休業取得率が前年比8・1ポイント増の99・0%なのに、男性のそれは1・8ポイント増の9・4%にとどまった。育児は女性を証明したような結果で、鈴木英敬知事は「他県の事業所と比べれば高いが…。事業所には制度と風土の両方を充実させてもらいたい」。どこかうつろに響く

▼NPO法人が育児への参画に理解がある上司「イクボス」の充実度を調査した結果、県庁は昨年2年続いて1位に。「〝連覇〟」を達成。みなさん、ありがとうございました」の喜びの声は今もホームページにひときわ大きい文字で輝く。知事が平成27年にイクボス宣言して翌年、企業・団体が参加するイクボス同盟を設立した。今年2月現在、756企業・団体が加盟。男性の育児についてシンポジウムなど啓発を進めてきた。拍子抜けする思いもあるのではないか

▼もっとも、総務省の都道府県対象の育児休業取得率調査では、県は全国1位ながら、率は8・1%だった。知事が職員に奨励し、幹部が部下の取得に奔走したなどの報道もあった。にもかかわらず10%に満たないというのは、制度に問題があるはずもなし。やはり県庁風土は男性の育休取得が浸透するまでに至っていないということではないか

▼県教委は2・8%、県警では1・1%だったことも「県がモデルになって民間へ波及」(鈴木知事)などはとてもとてもという気がする。本年度の県人事は、女性登用にも一服感が見られた。家庭の事情で登用に応じられない女性職員がいる一方、競争に負けたくない男性職員がいて、男女差を広げているのかもしれない。