2021年4月13日(火)

▼いままで見ていた景色がまったく違っていたと気づくことがあるものだ。国民民主党県連が平成30年秋に設立総会開催予定を直前に取りやめた時、あり得る判断だと思った。旧民主党勢力の統合を視野に入れるなら身動きとれなくなる可能性を避けるのも選択肢だ

▼本紙企画『まる見えリポート』によると、しかし、それは立民側の見方で、国民側にとっては上から目線。設立総会中止は「国民県連の存在を隠そうとする(立民側の)『言論封じ事件』」で、その怨念が次期衆院選への立民4候補予定者への推薦保留の背景にもになっているらしい

▼先の参院選県内比例得票数で立民約12万票に対し、国民約9万票の実力も影響ありというから、また違った景色も見えてくる。旧民主党代表の岡田克也議員は55年体制崩壊で新生党に参加した当初「労働組合に頼らない組織づくり」を提唱し、物議を醸した

▼国民支持の産別6組合のうち、金森正県連代表の出身労組が所属する電機連合と電力総連は仕事柄、加盟する全国組織が違った連合結成前から結びつきが強く、官公労系のNTT労組とも親和性が強かった。平成7年知事選で、前副知事を推薦した旧社会党の県本部長だったNTT労組出身の伊藤忠治氏は辞任して北川正恭氏支持に回り、三教組出身の山本正和氏から「敵前逃亡」の批判を浴びた

▼金森代表は尊敬する政治家にその伊藤氏をあげていた。立民立候補予定者の推薦問題では「組織の主たる部分は産別労組。十分くみして方向を決めていかなければいけない」。懐かしい、見飽きた景色も見えてくる。