2021年3月25日(水)

▼県の顧問弁護士について、尾崎彪夫さんが副知事のころ「裁判なんて、できないんじゃないか」と言っていた。県の顧問弁護士といえば、その世界では幅が利くものに違いない。市町や外郭団体、各種業界団体はじめ多くの企業にも採用され、どこもかしこも顧問契約先ばかりで利益相反になってしまうというのである

▼代理人として法廷で対決する相手は県民や市民個人となろうか。行政の弱点も承知で勝利に導くから重宝がられる。津市の顧問弁護士2人からなる同市自治会問題の調査チームがまとめた報告書と議会百条委員会の調査結果が矛盾して前葉泰幸津市長は「もう一度弁護士に判定してもらわなければならない。最終報告までに追加で調べてもらう」

▼調査チーム設置が昨年12月。2月に「中間報告」を、3月1日と12日に「中間」の記載なしの「調査報告書」を提出した。もう一段「最終報告」というのがあるらしい。12日の報告書は「(職員が)要望内容を自治会長に指示していた」「要望以外に自治会長の圧力があったことは確認できなかった」など、表現に工夫をしながら津市の立場を見事に代弁している

▼係争相手の書面が「説明が長かったりくどかったら弱みがあるから。注意して読む」と弊紙の顧問弁護士が裁判で言っていたのを思い出す。市は顧問弁護士に調査協力を依頼した昨年11月以前から自治会問題では相談していたという。「いまさら聞かなくても」と職員があうんの呼吸で答えなかったことも多かったのかもしれない

▼判定役として荷が重いのではないか。同情に堪えない。