<まる見えリポート>GoTo商店街 国の補助狭き門

【「GoTo商店街」に採択された事業=津市丸之内で】

三重県内では11月から始まった「GoTo商店街」。新型コロナウイルス感染症の防止対策と集客の両立という難しい課題を抱えながらも、国の補助を受けて商店街などがイベントを企画している。県内では今月9日までに4事業が採択された。ただ、このGoTo商店街は関係者が口をそろえて「急に始まった」と話すごたごたぶり。各商店街が少ない情報と高い競争率の中で奮闘していた。

GoTo商店街は、コロナ禍で落ち込んだ経済を回復させるため、国が打ち出した需要喚起策「GoToキャンペーン」の一つ。催しや商品開発を支援する。1団体に対して300万円を上限に補助し、複数の団体が連携する場合は、別に最大500万円を上乗せする。

10月から申請が始まり、県内では丸之内商店街振興組合(津市)▽津市大門大通り商店街振興組合(同市)▽伊賀上野銀座商店街振興組合、上野東町商店街振興組合(伊賀市)▽四日市諏訪西商店街振興組合、四日市駅西発展会(四日市市)―の四事業が採択された。

実はこの事業、採択されるのが難しい。経産省によると、県内では今月9日までに17件の申請があり、うち採択されたのは四件だけ。全国で採択されたのは申請件数の約37.6%に当たる412件。隣県では、愛知県が25件、岐阜県が4件とばらつきもある。

申請した商店街関係者などによると、10月2―30日までの先行募集に申請した団体のほうが採用されやすい傾向があるという。10月30日以降の通常募集は「競争率が高く、苦戦している」「審査が厳しくなっているのではないか」という見方すらある。

そもそも、GoTo商店街は「なし崩し的に」始まった。国は当初、8月中旬に参加商店街の公募を開始する方針を示していたが、実際に始まったのは10月。国が受け付け開始時期をアナウンスしたのは9月下旬で、先行募集期間までの日数は限られていた。

県中小企業・サービス産業振興課の担当者は「経産省が外部に委託しているため情報ソースもなく、当初は対象団体も分からなかった」と内情を明かす。県は事業に関する情報を商店街側に伝えるため、関係者らを対象に説明会を開催するなどして対応していた。

情報の少なさや競争率の高さを乗り越え、県内でいち早く採択された一つが丸之内商店街振興組合の事業だった。歳末セールに合わせたイベントを企画し、コロナ禍で中止になってしまった「津まつり」の代わりになるステージを用意。約500人が集まった。

同組合の担当者は、採択された秘けつについて「関東や関西の商店街の採択が多くなることが予想されたので、先手必勝と考えて早めに申請した。審査する側にどんな商店街かが一目で分かるような資料を申請書と一緒に送ったのが良かったのかも」と話した。

一方で、残念ながらGoTo商店街事業に採択されなかった商店街も負けてはいない。伊勢市の伊勢銀座新道商店街振興組合は民間のスポンサーファンドに初めて応募し、採用された。その資金を活用し、今月下旬に商店街をイルミネーションで飾る予定だ。

地域経済が落ち込む中、さまざまな工夫を凝らす商店街。そこには「コロナ禍を機に商店街の良さを再認識してもらいたい」(商店街関係者)という思いがある。実際、丸之内商店街のイベントでは、出演した団体から「今年は津まつりが中止になったので、演奏できてうれしい」など喜びの声があふれていた。事業で混乱はみられたものの、衰退が懸念される商店街の底力が発揮されたようだ。
【「GoTo商店街」に採択された事業=津市丸之内で】