2020年12月3日(木)

▼東京証券取引所がシステム障害で売買が終日停止した問題で社長が引責辞任し、兼務する日本取引所グループ(JPX)の清田瞭最高経営責任者(CEO)は会見で「(納入した)富士通にも責任があると思うが」。三重ごみ固形燃料(RDF)貯蔵庫爆発事件で、県と貯蔵庫納入業者が互いに相手に責任を押しつけ合って裁判になったことと構図は同じかもしれない

▼奥野英介県議が後処理終了後に予定されている三重ごみ固形燃料(RDF)爆発事件の総括について、なぜこうなったのかの説明の明記を求めたが、喜多正幸企業庁長は環境政策と市町の意見を盛り込むと答えただけ。「専門家に委ねた」(県)「自分らは専門家ではなく県の仕様通りに納入」(富士電機)の食い違いや業者決定の経緯までは今度も踏み込みそうにない

▼東証の調査委員会は「独自のシステム開発能力の検討」も必要と提起したが、一度外部に委ねたシステム開発を自社主導に戻すことは不可能に近い。社員育成に長期間、膨大な投資がかかり、処遇面も硬直化する。県がコンピューター業務を外注したのもそのためで、予定外の業者が落札して戸惑うこともあったが、自前にはできなかった

▼「県版デジタル庁」となるデジタル社会推進局(仮称)はどうなるか。IT(情報技術)革命推進を重点政策にした森喜朗首相(当時)が、途端に各省庁の施策がIT一色になったと本人が驚いていた。ITなどさっぱり分からず、家族は団らんが一番。個々に情報伝達を始められては大変だと共同通信加盟社編集局長会議で会場を沸かせていた。