2020年11月20日(金)

▼働き方の見直しに積極的な企業として三重労働局が社会福祉施設「ウェルフェア三重」(伊勢市)をベストプラクティス企業に認定し、西田和史局長が同社の運営する明和町志貴の特別養護老人ホーム「ウェルハート明和」を職場訪問

▼「働き方改革は人員、業務、マネジメント、企業文化、職場風土の見直しが必要。労働環境が厳しい介護業界での取り組みを心強く思っている」とあいさつした。具体的には過重労働解消への取り組みが評価されたわけだが、「働き方改革」を推進する労働局長が介護業界について「労働環境が厳しい」とさらりと流すのが、厳しさの解消への道のりの遠さを象徴してはいないか

▼ウェルフェア三重の西村代表取締役は「厳しい」とは人離れであり、勤務体制の改善などで離職率低下の成果をあげたと説明する。介護業界の人離れの原因は現場の厳しさとともに給料の安さが二本柱とされる。西田局長が現状見直しで待遇面に触れないまま片方だけを指摘したのは、非正規労働者の待遇格差以外は権限外だからということか

▼三重労働局がひところ懸命に取り組んでいた障害者雇用率も、全国並みになったせいか改善意欲はしぼんだ印象。離職率はもちろん障害種別ごとの状況などきめ細かく改善していく気配はなく、最低賃金も「精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者」の適用除外規定は放置されたままだ

▼以前は高齢者雇用に力を入れ、障害者を経て今は過重労働解消か。労働局各相談窓口の非正規職員の改善は進んでいるのかどうか。一点豪華主義も啓発に違いなかろうが。