2020年11月16日(月)

▼「第1位〝連覇〟」を達成。みなさん、ありがとうございました―というのは県のホームページに掲載された都道府県部門のイクボスランキングについての報告。鈴木英敬知事の写真入りで、カギかっこ内はひときわ大きな赤字。オール三重で一致団結し、イクボスの充実に向けた取り組みを加速させていくという

▼その意気やよし、である。市区町村ランキングの上位10位自治体は県内でなし。桑名市が39位、四日市市が59位だった。やりがいのあるハードルである。一致団結はむろん行政がリードしなければなるまい

▼2連覇した前回と今回では、民間のイクボス環境も激変した。コロナ禍を理由とした休業命令に伴う休業手当の不払いが、非正規労働者は正規の2倍という。非正規の中心は女性だから、働く女性を応援するというイクボス宣言の土台がぐらついている

▼県内でも、シャープ三重工場に労働者を派遣する企業が約90人を解雇する問題が発生した。労働者派遣法や労働契約法の改正で、派遣労働者の雇用安定措置を義務化したのはうそのような話。県も個別問題だと突き放す。雇用情勢は低迷したままだ

▼国が一部を補助する休業手当の支払い格差は、企業の支払い能力の問題というより、非正規をどう見ているかに関わってこないか。県内有力企業を集めたイクボス同盟には見えない荒野かもしれない

▼イクボス連覇賀すべし。北川県政でも知事が言い出した途端、下位を低迷していた都道府県別情報公開度ランキングが1位に躍り出た。やればできる。知事交代とともに雲散霧消しただけだ。