2020年10月14日(水)

▼カメラを構えた人を見て、これが写真愛好家か盗撮犯かをどう見分けるかを問われて、岡素彦県警本部長が「周りの人がそろって見ていて(盗撮と)供述する。そうした状況を証拠とする」

▼痴漢や盗撮などを規制強化する迷惑防止条例改正案の県議会常任委審議。全国的にも後発の改正に、随分あいまいな運用だという気がしたが、法務省が「盗撮罪」の創設を検討し、日本オリンピック委員会(JOC)が選手の環境を守るため競技横断的な対策に乗り出すと聞き、その思いを強くした。早晩、再び改正に迫られるのではないか

▼県警が改正を目指す迷惑防止条例は、取り締まる場所を現行の駅や電車など「公共の場所」から住居や学校、会社などへ拡大するのがメインなのだろう。教員の教室内の盗撮が条例違反にならなかったり、タクシー内が「公共の場所」と認められないなどの例が続出している

▼何よりも、迷惑防止条例の盗撮は下着や裸など、上着の下を撮影することが対象。JOCが競技横断的に悩まされているのは、アクシデントを含めた競技中の女性アスリートのユニホーム姿が一部分をアップするなどして卑わいな文章とともにネットに拡散されることだ。「引退した後も残ってしまう」と不安視する選手もいるという

▼JOCは日本スポーツ協会や全国高等学校体育連盟などとも連携し被害防止を検討するという。三重とこわか国体・大会を来年開く県としても、拱手傍観というわけにはいくまい。ようやく全国並みに追いついたと思ったら被害続出、というのではせっかくの周回遅れのかいがない。