2020年10月10日(土)

▼ある釈明を指して「盗っ人にも三分の理だ」と評すれば「自分を泥棒呼ばわりした」と抗議されるかもしれない。「理屈とこう薬はどこへでもつく」と言い換えたら「色眼鏡で見ている」と言われるか。旧民社党委員長の春日一幸は「理屈は後から貨車で付いてくる」と言った

▼恐喝と強要の未遂罪に問われた三重県の桑員河川漁協組合長の被告人質問が津地裁であった。工事請負業者に「請負額の0・5%以内」の協賛金を受け取ってきたが「河川の維持管理などに使う金」で脅迫はしていないという。意中の業者を下請けに入れることを求めたが「無理やりではない」

▼話がこじれたため工事が止まったとされることについては「(金を)渋るであかん」「言うことを聞かんだもんで」と発言したことを否定。隣接する工事が止まっていると言ったのは「(業者が)あいさつに来ただけだったので(隣の工事は)協議が止まっているという意味だった」

▼「請負額の1000分の1でお願いします」と業者に協力金を促す県の内部文書について議会で指摘されて県土整備部理事は「文書の存在は把握していない」と否定して「不当要求を根絶する取り組みを検討する」。公共工事の金額と協力金が連動していることについては、平成12年3月議会に当時の同部長が工事の一時中止に伴う増加費用について「発注者(=県)負担」となっているが、実際に「積算した例は記憶にない」

▼盗っ人の理屈かこう薬か。よく似た釈明ではある。業者があいさつに言ったのは、むろん県や桑名市の指導のため。いずれがトカゲの、頭やら尻尾やら。