2020年10月1日(木)

▼相次ぐ人気俳優の自殺とみられる死去で、田村憲久厚生労働相が報道の在り方に配慮を求めた。詳細、過激な報道は控えてほしいということである

▼衝撃的、あるいは共感する自殺で連鎖が起こる社会現象は江戸時代の心中事件を引き合いに出すまでもない。芸能人の自殺も、は国会で問題になったことがあるほどだが、それから30余年。ネット時代になって報道要請だけで事足りるわけでもあるまい

▼テレビ番組の言動でネットが炎上し、出演者が死亡した記憶に新しい。コロナ禍での誹謗中傷も問題になっているが、田村厚労相としては、それらは所管違いということになるか。テレビの長寿番組『徹子の部屋』で、小柳ルミ子さんがコロナ禍で仕事が途絶え、もう必要とされていないと引退を決意したと涙を流した

▼著名なミュージシャンが彼女をたたえた週刊誌が発売されなかったら引退していたという。武田鉄矢さんも同じ状態にいらいらが募り、家族に八つ当たりしたという。「テレビ局の軒先を借りて商売する我々は根無し草で」と言うのを彼女、彼らほどの芸能人がと、驚きをもって聞いた

▼イベント会場の入場者制限緩和も、所管は厚労省らしい。変更や運営実態にそぐわぬ指示が多く、劇場など施設は困惑。ライブハウスは置き去りともいう。出演者などの困窮への配慮は、やはり所管違いなのだろう。文化庁はどうか。ホームページを見ると施設の入場制限が中心で厚労省と重なる

▼文化人や芸能人の立場を考えた施策はなさそうだ。縦割り行政打破は官邸が万能の権力を振るうためでもなかろうが。