2020年9月9日(水)

▼新型コロナウイルスの新規感染者が5日ぶりにゼロになったのもつかの間、翌7日は2ケタの11人に。不謹慎ながら、ゲームセンターのモグラたたきを連想してしまう

▼鈴木英敬知事は「全体として減少傾向にあるが、一部にはクラスター(集団感染)が発生。早期収束が大きな課題だ」。「緊急警戒宣言」解除後の新規感染者の7割が福祉施設と病院の関係者だと明らかにしたのは、鈴鹿厚生病院をクラスターに認定した4日。両施設とも対策をとり「感染拡大への不安もありながら一生懸命に従事してきた」として「絶対に責めてはいけない」

▼以後、比率はさらに高まって、ねぎらいの言葉は聞かれなくなった。医療従事者もいろいろで、津市の総合病院で、健康診断を受けようとした学生が名古屋の大学名を記入して門前払いを受けた。「一生懸命に従事」にもばらつきはあろう

▼鈴鹿厚生病院について「面会や外出は制限されているため、院外に感染が広がった可能性は極めて低い」と県が言ったのも4日。同病院の方は同日付連絡で「入退院、外来(初診)」は休止としたが「通院中の患者」は対応するとし、現在に至る。精神科医療の特性もあろうが、正確な情報を県民に伝える意識があるのかどうか

▼クラスターが発生した病院は当面の封じ込めはもちろん、なぜ発生したかを検証し、次の襲来に備える。陽性患者の40%、43人が死亡した永寿総合病院(東京都)の場合、国の対策班が任に当たった。重症化のリスクが第一波とは段違いに低いとしても、だから第三波もとならないのがウイルスである。