2020年8月29日(土)

▼三重県企業庁南勢水道事務所の男性課長が飲酒運転で事故を起こし、同庁は停職6月の懲戒処分とし、課長補佐級から主査級に降任させた。道路脇の電柱に衝突し、松阪署員の呼気検査で基準値を上回る酒気が検出された。書類送検され、罰金35万円の略式命令を受けたという

▼県のホームページに掲載された懲戒処分指針には、末尾に「飲酒運転・交通事故等に対する懲戒処分については、本指針にかかわらず『職員による飲酒運転・交通事故等に対する懲戒処分の基準について』によるものとする」とある。その基準が、同HPを検索しても出てこないのは、ご愛嬌だろう

▼平成30年10月に市立中の教諭が飲酒して10分程度仮眠して真夜中運転し、道路反対車線の縁石に右前輪を衝突させ、この時は逮捕された。判決は罰金35万円の略式命令で同じだったが、免職処分になった。逮捕されるかどうかで免職と停職6月に分かれるようで、むろん退職金もゼロか規定通りかの違いとなる。警察も罪なことをする

▼「飲酒・交通事故等懲戒処分の基準」は、基準とはいうものの実態は平成22年12月の「総務部長通知」らしい。福岡市職員が起こした同18年8月の海の中道大橋飲酒運転事故で同年、厳格に整備され、飲酒運転は二日酔いでも免職処分としたが、取り消し訴訟を受けて同21年敗訴

▼「飲酒運転は確信犯」とする当時の野呂昭彦知事は控訴し、基準変更の意思を見せなかったが、若干の緩和はやむを得なかったとみえる。当時免職職員への同情論が多かった。今はどうか―。法は世に連れである。